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迷子 [介護のこと]

父がついに迷子になった。

夜、子供を寝かしつけたあと、普段は鳴らない固定電話が鳴った。

表示には末尾が110・・・。嫌な予感。

父が迷子になっていたところを保護されたらしい。
それも、今の居住地と目と鼻の先だった。

所持品はなにもなく、もちろん服に名前もない。
話す名前と生年月日、住所から免許証の登録をみつけ、戸籍をたどり、現在の私の住まいへやっと連絡がついたという話だった。

住所はもちろん、昔の実家の住所。他県しかもそうとう遠く。

夏ころまではしっかりしていて、身体の衰えは感じていたけど、認知がこんなに進む様子はなかったから、本当にびっくり・・・というか、それも私の希望的観測だったんだろうなぁ。

現在の居住地はさっぱりわからないのに、私の名前、孫の名前ふたり、それから春にはもう一人孫ができるなどは楽しそうに警察官の方と話していた。認知症っておもしろい。そして、老人にやさしい。うれしい楽しい記憶は残っているのだ。

私が迎えにいったのは23時近く。眠い目をこする子供たちふたりとお腹の大きな妊婦の私がいっても、にこにこほがらかにうれしそう。

怒ってもダメなんだなぁ。
なんか拍子抜け。
行きの車の中では、腹立たしいやら情けないやらやり場のない怒りやらで悶々としてたけど、父の顔見たら私もホッとした。

親が年老いて、しかもこういう年の取り方をするなんて、想像もしなかったから日々は本当は笑いなんてなく、涙に暮れてるときのほうが多いけど、それじゃいけないんだな。

子供たちにも、私が父や母の残りの人生に寄り添ってる姿を、見せるのもいい勉強なんだな。

現に4歳の息子は、ママやパパが年をとったら、僕が車椅子をかってどこでも好きなところに連れて行ってあげるからね!といってくれる。私が小さいころ、年寄りに車椅子が必要なんて、想像もしてなかった。

日々息子にいらいら当たるちっぽけな母親である自分も、両親を疎ましく思う自分もなさけないなぁ。
子供たちに、なんか教えられてる。

さぁ、明日も、父に会いに行くけど、なるべく優しくしてあげることができるように、早く寝て元気にいこう!


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